内の月と外の月
- ツキヨミノ

- 7月31日
- 読了時間: 5分

月のサイクルは約28.5日。それは、わたしたちの「内なる月」、月経サイクルととてもよく似たリズム。でもその流れはいつも同じではなく、年齢や環境によって変わっていく。だから、生理が訪れるタイミングも、月のどのフェーズに重なるかは人それぞれ。
ミランダ・グレイは、どの月のフェーズで生理を迎えるかが、いま自分がどんな人生のフェーズにいるのかを映し出していると言う。彼女は「内なる月(月経周期)」と「空の月(外の月)」が重なりあうふたつの主なパターンについて語っている。
白い月のサイクル
もし新月のころに生理を迎えていたら、それは「白い月のサイクル」を生きているサイン。
このサイクルは、多くの伝統で「自然な月の流れ」とされ、外の月のリズムと、内なる月のエネルギーがぴたりと重なるとき。新月に生理を迎え、満月に排卵する——それはちょうど、植物のエネルギーが根の奥へと降りていく新月と地上に花ひらく満月のリズムを、からだで生きるような感覚。
このサイクルでは、月のフェーズと同じエネルギーがわたしたちの内側でも流れている。そのため、外へと向かう力や、創造性、実りの力が高まりやすい。生命を育む母のような存在になり、誰かを支えたり、与えたり、心やからだの豊かさを外の世界へ分かちあうとき。
このときのわたしたちは、内側の静けさと、外へ向かう生命力のバランスを抱いている。それは、ただ“子どもを産む”という意味だけではなく、自分の人生そのものを育み、なにかを世に送り出していくという力のあらわれ。
つづきでは、もうひとつのリズム「赤い月のサイクル」について触れていこう。月とともに移ろう、自分だけのサイクルに気づいていく旅のつづきとして。

中心の円は「内なる月」。わたしたちのからだのなかでめぐる、個人の月のリズム。生理を迎えるとき、それは「内なる新月」の時期。外側の輪は「空の月」、空に浮かぶ本物の月の満ち欠けのリズム。
排卵は「満月」と響きあう。なぜなら排卵期は、エネルギーが外に広がっていくとき。それはちょうど、月が満ちるころに植物の樹液が枝先までのぼっていくようすと似ている。
一方、生理は「新月」とつながっている。この時期、エネルギーは内へと向かい、静かに根へと戻っていく。それもまるで、新月のころ、植物のエッセンスが地中深く、根っこへとおりていくように。わたしたちのからだのなかでめぐるこのサイクルは、空に浮かぶ月や、大地の営みと、そっと響きあっている。
赤い月のサイクル
もし満月のころに生理を迎えているなら、あなたはいま「赤い月のサイクル」のなかにいる。このサイクルでは、排卵が新月と重なり、空の月と、からだのリズムが“逆の流れ”でめぐっていく。外に向かうはずの満月のエネルギーの中で、わたしたちは内側へと深く沈み、生理という再生のときを迎える。
ふだんは内省的で静かなはずの月経期——けれどこの時期に訪れる生理は、どこか外へと開かれていて、その創造力や感受性は、外の世界にも流れ出していく。
このサイクルは「魔女」「巫女」のような深い叡智を宿す存在のエネルギーと結びついている。わたしたちはここで、自分自身の影の部分や無意識の声に触れ、それを変容の力へと変えていく。
見えない世界に触れるちから。癒しと直観。真実を見抜くまなざし。
赤い月のサイクルを生きるとき、わたしたちは個人の再生を促すヒーラーとなる。そして、自分自身に魔法をかける方法を思い出していく。

移ろいのサイクル
生理が上弦の月や下弦の月と重なるとき、それは“変わり目”を生きているサインかもしれない。新月と満月というエネルギーの頂点のあいだを、月が静かに移ろっていくように、わたしたち自身もまた、人生のどこかで「次のかたち」へと向かっている。
満ちていくの月の時期は、「乙女」のアーキタイプがあらわれるとき。新しいはじまりの気配。内に眠っていた種が、ようやく芽を出そうとしている。もしかすると、なにか新しい挑戦がはじまっていたり、過去に置き去りにした少女の自分と、ふたたび手をつないでいるのかもしれない。目覚め、探求、無垢な好奇心。乙女のエネルギーは、これからの未来へ向けて、自由に一歩をふみだすちからをくれる。

欠けていく月の時期は、月がゆっくりと光を失っていくように、わたしたちの内側でも、何かが静かに終わりを迎えようとしている。このフェーズは「魔女」や「巫女」のアルケタイプとつながっている。目に見えないものに耳をすまし、境界線を引き直し、もう必要のなくなったパターンや関係をそっと手放していくとき。内なる直観がささやく声を、感じているかもしれない。

すべてのサイクルは、わたしたちの内なる女性性のあらわれ。どれが正しい、どれが自然、という優劣はない。すべてのめぐりが、わたしたち自身のうつろいを映し出している。
月経のサイクルが28.5日より長くなったり短くなったりするとき、それは「内なる月(月経周期)」と「外の月(空の月)」の関係が変化しているサイン。つまり、自分自身が新しいフェーズへと移ろいながら、異なる月と調和しはじめているということ。月経は、人生のなかで何度もさまざまな月のフェーズと重なりあっていく。それは、感情の動きや、環境の変化、願い、選択と深く結びついている。
ほんとうの知恵は、外ではなく、あなたのなかにある。どの月のもとで生理を迎えたとき、どんなふうに感じる?なにが変わる?エネルギーはどこへ向かう?からだはなにを語っている?自分のサイクルを月とともに見つめ、その変化を受けとめていくこと——それが、あなた自身のリズムを知るための、もっとも信頼できる道しるべ。
2019年版『マンダラルナー』に収録されたテキスト

$50
Product Title
Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button

$50
Product Title
Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.

$50
Product Title
Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.




コメント