top of page

月経周期のフェーズ - 排卵期

ree

わたしたちを自然の一部として理解し、受け入れること。それは、健やかに、心地よく生きるための大切な一歩。だって、考えてみて。誰も冬に花が咲くことを望まないし、夏に寒さを待つこともしないでしょう。生理にまつわる痛みやむくみ、イライラやけいれんのような不調は、わたしたちの身体が自然のリズムとずれてしまったときに起こる。だからこそ、必要なのは月経のリズムを学ぶこと。 自分のサイクルを知り、自然の流れと重ねて感じること。それが「月経教育」の本当の意味。わたしたちの中にも、外の世界にも、春も夏も秋も冬も流れている。そのリズムを思い出すとき、身体はもういちど、いのちの調和を取り戻していく。


まずは排卵期、メス猫の発情期から見ていこう。動物と暮らしたことがある人なら、きっと発情期というものを知っている。メス猫の発情期は一目でわかる。犬もそうだし、野生の動物たちも同じ。森の中では、メスのジャガーが独特の香りを放ち、蛇でさえ、繁殖の季節を告げるように動きを変える。わたしたちは、種をまく時期=大地の発情さえ感じ取れる。発情期=排卵期は、すべての生きものにとって、まぶしいほどに生命が溢れるとき。動物も植物も、空気の中に光るようなリズムを放ち、世界がいのちの力で満ちていく。人間の身体の中でも同じことが起きている。排卵期は、受け取る力、創る力、ひらく力が高まるとき。身体がもっとも外に向かい、心も、野生のリズムとつながる瞬間。この時期は、ただ「排卵が起こる」だけではなく、自然界の祝祭のようなもの。動物たちが発する匂いや声、植物の花が開くタイミング。それらと同じリズムが、わたしたちの内側でも脈打っている。発情期は、いのちのエネルギーが最高潮に達する時。身体の中で小さな宇宙がきらめく、まさに見逃せない奇跡。


いわばメス猫の発情期—ブラジルの言葉で言うと「fogo no cu(お尻に火がついたみたい!)」というやつ。ちょっと笑っちゃう表現だけど、実はこれ、ちゃんと科学的な理由がある。民間の知恵って、ほんとうに侮れない。排卵期にはエストロゲンというホルモンがピークに達する。このエストロゲンは体温を少しずつ上げ、身体の中に「熱」を生み出す。そしてこのホルモンは、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質に働きかけ、気分を明るくしたり、集中力や記憶力を高めたりもする。つまり、学びやすく、楽しく、生命力に満ちた状態になるということ。だから、「お尻に火がついた」って、ただの比喩じゃない。ほんとうに生きることへの情熱が燃えあがる時期なんだ。世界に向かって開かれて、自分という存在が輝きはじめる瞬間。排卵期は、生きてる!という感覚が全身を駆けめぐる季節。それは、自然の中で咲く花や、太陽に向かってのびる葉っぱたちと同じリズム。わたしたちの身体も、ちゃんと地球の鼓動とつながっている。


この時期、エストロゲンは肌や髪のツヤ、筋肉のハリにまで影響する。そして、脂肪のつき方も変わる。特に腰まわりや胸にやわらかな丸みがあらわれて、自然と曲線が強調される。そう、排卵期のわたしたちは、まさにいちばん輝くとき。生命そのものが花ひらくように、身体は美しく、官能的に、しなやかに満ちていく。そして、もうひとつの特徴は潤い。エストロゲンの働きで、膣だけでなく、関節までもがよく潤う。身体が動きを欲しがるとき。だから、動くことが最高の養分になる。ダンスを踊る、身体を伸ばす、力を使う、自分の肉体がもつ可能性を存分に味わう。この時期の身体はエネルギーに満ちていて、どんな挑戦も受けとめられる。

スケジュールを自由にできるなら、この時期は大切な打ち合わせや人と会う予定を入れるのにぴったり。恋を楽しむのも◎もしこの拡がる力にフタをしてしまうと、身体のリズムが少しずつ乱れて、次のサイクルで疲れや不調として現れることもある。



ree


エストロゲンの高まりが過ぎると、ゆっくりとプロゲステロンが主役になる。それが黄体期(いわゆるPMS期)。このホルモンは、まるでやさしい眠りの薬。不安をやわらげ、深いリラックスをもたらす。GABA受容体に働きかけて、身体も心もやすらぎモードに入っていく。だからこの時期は、高ぶりや外向きの動きを手放して、ふかふかの布団、ソファ、映画、足湯など、ぬくもりと静けさに身をゆだねるとき。激しい運動よりも、やさしく身体を動かしたり、手を使う作業(編み物、料理、絵を描くなど)が向いている。プロゲステロンは、骨を強くする働きも持つ。象徴的には、わたしたちを支える軸や安定のエネルギー。思考も深まり、決断力が冴える。だからこの時期こそこれはイヤ、これは大切と、自分の境界線をはっきり伝えるのにぴったり。


いまの資本主義、父権的な世界では、この時期の女性の状態を月経前症候群(PMS)、つまりストレスの時期と呼ぶ。でも本当は違う。本来この時期は、休むべきとき。外に向かうエネルギーが静まり、身体と心が内側に戻りたいと伝えてくれている。それなのに、いつも笑顔で、人に合わせて、がんばり続けてと社会が求め続けるから、女性たちはイライラしたり、怒りっぽくなったりする。それはホルモンのせいじゃない、休むことを許さない社会のせい。あたたかいお茶をいれて、ゆっくり眠って、足湯をして、マッサージをうけてみて。そうすれば、あのストレスが本当に自分のものだったのか、きっとわかるはず。これは、女性の秋=月の欠けゆくとき。自然が秋に花を咲かせないように、この時期の身体にも内へ向かう時間が必要。それを無視していつもと同じように動こうとすると、自然のリズムが乱れてしまう。 そして、プロゲステロンが静かに減ると、やがて訪れるのが月経期。血が流れ出すその瞬間は、木の樹液が根へと戻り、動物たちが冬の巣にこもるように、わたしたちが内なる大地へ帰る時間。生理は、いのちのリズムの証。健康な女性の身体が教えてくれる、いま、ちゃんと生きているというサイン。おしっこやうんちと同じように、少しの静けさと注意が必要なだけ。生理がいやと言う前に、それが健康のしるしだということを思い出してみて。(ただし、もし痛みが強いなら、それは身体のサイン。放っておかず、ちゃんと調べてあげよう。生理痛はあたりまえじゃないよ。)


この時期、身体が求めているのは沈黙と内なる時間。あたたかい湯たんぽを抱えて、スマホは少しおやすみ(Instagramを消してもいいくらい)。いま身体のエネルギーは、更新と再生に使われていて、重たいものを消化する余力はあまりない。だから、ピザやハンバーガーよりも、あたたかいスープや煮込み料理を選んであげよう。数日、運動をおやすみして、軽くストレッチしたり、深く呼吸するだけで十分。そうやって身体を休ませることで、次のサイクルでのエネルギーの巡りがぐっと良くなる。丸くなって眠り、静かに土のなかで息を整える。やがてまた、自然と芽吹くときがくる。それまで、安心して、身体をゆだねていよう。


ree

そして、あなたが自分の夏も、秋も、冬もちゃんと生きたなら、かならず春がやってくる。月経のあとには、かならず前排卵期が訪れる。エストロゲンがまた芽を出し、少しずつ育ち、あなたを殻の外へと押し出していく季節。この時期は、どうせ続かないとわかっている習いごとを始めたくなったり、きっと着なくなる服を勢いで買ってしまったり、あとでなんでこの人と…?と笑うようなデートを入れてしまったりする。気分は高揚しすぎるくらい高揚して、元気すぎるくらい元気で、機嫌もよすぎるくらいよい。でも、それでいい。

春って、そういうもの。花が咲き、色があふれ、心が軽くなる。うれしくて、にぎやかで、でも長くは続かない、儚い季節。だからこそ、この時期に今までやったことのないことをしてみて。身体が遊びたがっているなら、思いきり応えてあげて。逆立ちしてみるのも、変な踊りを踊るのも、ちょっときつい道を歩くのもいい。春のあなたは、軽やかで、自由。考えすぎずに、身をまかせてみて。


マンダラルナーのほかにもできる自己探求のワークがあるよ。光の入る場所をえらんで、いつも同じ時間に、同じ姿勢で写真を撮ってみよう。メイクもフィルターもなしで、自然なままで。 春(排卵前)、夏(排卵期)、 秋(黄体期)、冬(月経期)。この4つの時期にそれぞれ1枚ずつ撮って、あとで見くらべてみて。すると気づくはず。わたしたちは、たったひと月のあいだに春になり、夏になり、秋を過ごし、冬へ還るということを。自分という自然のリズムを、やさしく見つめなおす小さな儀式。


文:Barbara Ferreira(ハーブ療法士・教育者・ケア提供者 @barbara.f.erreira

イラスト:Jaya Cosmica (@jayacosmica) マンダラルナー 2026(ブラジル版)より


$50

Product Title

Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button

$50

Product Title

Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.

$50

Product Title

Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.

Recommended Products For This Post

コメント


© tsukiyomino

bottom of page