マンダラルナーと妊娠力への気づき

マンダラルナーは、からだとつながるためのツール。わたしたちのなかをめぐる液体のリズム、香りの変化、エネルギーのうつろいに気づいていくための、やさしい地図。

解剖学や生理学を学ぶこともできるけれど、それを超えて、自分自身のからだの声に耳をすますこと——それがほんとうの自己発見の道になる。

「今日はどんな気分？」「どんなエネルギーで、どんな夢を見た？」「わたしのからだはいま、どんな季節にいるんだろう？」

こうして日々、自分を見つめることで、生理のときのわたしがどんな存在であるか、排卵期にはどんなエネルギーが流れているのか、少しずつ、からだの言葉がわかるようになっていく。

それは誰かに教えてもらう知識ではなく、自分自身の経験と感覚から育てていく、世界でたったひとつの「わたしのリズム」という叡智。

自己発見の旅のステップたち｜マンダラルナー2023 × Júlia Vargas のイラストより

この旅の道しるべとなるように——月経サイクルと妊娠力にまつわる、いくつかの大切なトピックをそっと手渡すね。

周期性

「月経サイクルは28日」「14日目に排卵」そう説明されることが多いけれど、それはあくまでも教科書的な目安。実際には、ほとんどの人のサイクルは毎月ちがい、28日ぴったりで安定しているケースはまれ。排卵も「14日目」に起こるとは限らないし、たいていはサイクルのちょうど真ん中ではない。だから、自分のサイクルを知るために大切なのは——カレンダーでも、数字でもなく、自分の内側で起きている体感や感情に耳をすますこと。からだが教えてくれるサイン。心の奥にふと訪れる気づき。そのすべてが、あなたのリズムを映し出す“本当の暦”。この視点を持つことで、月経はただの「繰り返される現象」ではなくなり、わたしたち自身の人生と深く結びついた「物語」として感じられるようになる。自己観察の道は、思考ではなく“感覚”から始まる。からだと心の声を、毎月すこしずつ拾いあげていくことが、ほんとうの意味での自己理解へとつながっていく。

からだに棲むということ｜Vic Campello のイラストより内側から育てる、わたしだけの知恵

からだのなかに根をおろし、自分という存在を深く生きていくこと

それは、内側の変化に耳をすませながら、自分自身のリズムを知っていく、やさしい旅。月経サイクルは、「ひとつのかたち」におさまらない。健やかな月経サイクルの長さは、21日から35日のあいだ。排卵は、10日目に起きることもあれば、20日目あたりになることもある。「〇日目に排卵する」「〇日周期が正常」——そんな決まりきった答えは、ほんとうはどこにもない。わたしたちは機械じゃない。毎月、同じようにきっちり動くメカニズムではなく、季節や感情、食べ物、人間関係、環境…あらゆるものと響き合いながら、変化しつづける“生きた存在”。

Júlia Vargas のイラストより

月経周期アプリ

今ではたくさんの月経管理アプリが存在していて、排卵日や妊娠可能期間を“予測”してくれるものも多い。けれどそのほとんどは「リズム法（いわゆる“カレンダー計算”）」に基づいていて、過去の記録から「たぶんこの日あたりだろう」と予測しているだけ。これは、からだの変化が毎月異なることを考えると、必ずしも正確とは言えないし、誤解を招くこともある。本当に“いま”妊娠しやすい状態なのかを知るには、アプリではなく、自分のからだの声を観察することがいちばんの道しるべになる。

マンダラルナーと妊娠力への気づき

マンダラルナーは、ただ日付を記録するだけのものではない。日々のからだの感覚や心の動き、粘液の変化やエネルギーの波をぱっと見てわかりやすいように記録して、わたし自身のリズムを見つめていくためのツール。妊娠力を観察することは、自分自身の内側と深くつながるプロセスでもある。ただし大切なこととして、マンダラルナーは避妊のための方法ではないということ。妊娠力の観察を避妊法として使いたい場合は、明確な手法と学びをともなう「受胎力認識法（Fertility Awareness Method）」が必要になる。

受胎力認識法（FAM / FABM）とは？

ただ感覚にまかせるのではなく、排卵のサインを体系的に・継続的に観察し、記録し、判断していくプラクティスのこと。主なサインには、子宮頸管粘液の変化（質や量、粘り気など）、基礎体温の変化、子宮頸部の位置や開き具合の観察や気分の変化、性欲、軽い痛みなどの副次的サインがある。

これらを一定のルールと視点に基づいて解釈することで、妊娠を望む場合／避けたい場合、どの時期にどんな選択をするかが見えてくる。

たとえば、おりものが多くて透明な時期（排卵前後）は、一番妊娠しやすい時期。妊娠を避けたい場合は、その時期の性交渉を避けるか、バリア法を用いる。

主な受胎力認識法の種類：

✧ ビリングス法：子宮頸管粘液（おりもの）のみの観察に基づく

✧ シンターサーマル法（TCOYF、Justisse、Sensiplanなど）：おりもの＋基礎体温＋α

✧ FEMM：おりものの観察＋ホルモンテスト（検査薬）で排卵確認

マンダラルナーと月経周期

マンダラルナーのダイアグラムを活用して、毎日の感情、おりもの、からだの感覚、夢、体温などを記録していけば、自然と自分自身のパターンが見えてくる。過去のサイクルと比較したり、同じ時期に起こりやすい傾向を見つけたり、心とからだの一致やずれを感じとったりして、「月」と「からだ」の地図が、自分の手で描かれていく。

それは、「わたしのリズム」を生きるための第一歩。からだからのサインに耳をすませ、自分のいのちのサイクルに責任とやさしさをもって向き合っていこう。マンダラルナーは、その旅路にそっと寄り添いながら、あなたの内なる月を照らしつづける。

この内容に心が響いたなら、あなた自身の体験もぜひ聞かせてね。どんなふうに自分の周期を感じている？自分が妊娠しやすい時期に気づけることってある？あなたなりの「自己観察のプロセス」があれば、ぜひシェアしてほしいな。あなたのからだの声に耳をすますその方法は、きっと誰かの気づきにもつながっていくから。

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