孤から円(サークル)へ—女の友情に潜むパワー
- ツキヨミノ

- 3月11日
- 読了時間: 9分
更新日:3月16日
女同士の友情がメンタルヘルスにとって重要であるという認識が、研究や統計の中に現れ始めたのは比較的最近のこと。今では、心理療法の場や、みんなで何かをつくる活動の中でも、そうしたテーマが語られることが増えてきている。ときにはそれは、ちょっとしたやさしさや気づかいとして、そっと現れることもある。真夜中に話を聞いてくれる友人。何も問いたださずに涙を受け止めてくれる女友達。温かいごはんを作ってくれる女友達。家に泊まれるように、布団を用意してくれる女友達。心理学や精神分析は、これまで長いあいだ家族関係、母性、ロマンティックな愛、そして社会的・集団的な運動について深く考察してきた。けれど、女同士の友情が社会の中でしっかり語られるようになるまでには、少し時間がかかった。それはおそらく、女性たちが互いに結びつくことが、歴史の中で何度も抑え込まれてきたからかもしれない。
イタリアの哲学者シルヴィア・フェデリチが指摘しているように、女性たちが結びつくことは、歴史の中でたびたび抑え込まれ、罰せられてきた。異端審問の時代にも、植民地支配の時代にも、そして現代の資本主義の中でも、女性への攻撃は、女性たちがつながり合い、ネットワークをつくる力そのものへの攻撃だった。魔女狩りは、長く続いた迫害の時代。女性たちの近所づきあいや助け合いのつながりを壊すことが、資本主義の秩序をつくるうえで重要だった。そこにいたのは、母親、魔女、助産師、ヒーラー、祈る人、研究者、アーティスト。互いにつながり、知恵や経験を分かち合っていた女性たち。彼女たちは脅され、民衆裁判にかけられ、火あぶりにされた。「ゴシップ」と呼ばれてきたものも、本当は、物語や知恵、注意を伝えたり、互いを守り、生きていくための経験を分かち合うことだった。女性同士の友情には、たとえ気づいていなくても、どこか地下に流れるような、静かで力強い、変化を生むエネルギーがある。もし、わたしたちの絆を壊すことが支配するための方法だったのなら、その絆をもう一度結び直すことは、再び命を取り戻すような行為になる。
わたしたちはどこかで知っている。ひとりの女性が別の女性と出会い、見てもらえている、わかってもらえていると感じるとき、そこにはとても深い出来事が心の中で起きている。女同士の友情は、役割や期待に縛られずに、ありのままでいられる場所をつくってくれる。完璧な母であること、いつも人を支える役割でいること、仕事で競争に勝つこと、理想の美しさや女性らしさを求められること。そんな期待から少し離れて、女友達のあいだでは、失敗してもいいし、弱ってもいいし、思いきり笑うこともできる。ただ、ひとりの人としていられる。それは、とても大きな違いを生む。そこには、従順であることや、美しくあること、役に立つ存在であることを求められない、自由な場所が生まれる。ここでは、不安やつらさを隠して取りつくろう必要もない。そして、ユング派の精神分析家Clarissa Pinkola Estés が語っているように、女が群れを取り戻すとき、本能の感覚や、生きたいという力も、いっしょに戻ってくる。女同士のつながりには、文化の中で傷ついてきた女性性を癒す力がある。ひとりの女性が別の女性の話に耳を傾け、夢や願い、恐れや影の部分まで分かち合うとき、そこに愛とつながりの力が生まれ、新しいいのちの流れが動き出していく。
わたしたちを競わせ、黙らせ、罪悪感を抱かせようとする世界の中で、友情はひとつの解毒剤になる。友情が、深い痛みそのものを消してくれるわけではない。けれど、その痛みに押しつぶされてしまわないよう、心と身体を支えてくれる。大きな出来事や悲しみに打ちのめされることを、避けられるわけではない。それでも友情は、それが過ぎ去ったあと、もう一度立ち上がる力を思い出させてくれる。ときには、やさしく洗い流してくれる水のように。ときには、揺さぶって起こしてくれる風のように。女性たちは、互いを縫い合わせるように、つながっていく。料理をしながら話を聞いてくれたり、仕事から帰ったときに抱きしめてくれたり、踊って気分を晴らそうと誘ってくれたり、日曜日にコーヒーを飲みながらポエムをシェアしたり。同じ食卓を囲み、薬草のバームを貸してあげたり、誰かがゆっくりシャワーを浴びられるようにその人の赤ちゃんを抱いてあげたり。どれもちょっとしたこと。多くの人の目には留まらない。でも、こんなささやかな行為が、コミュニティを支えている。
女性たちが集まり、不安や悩みを語り合い、自分や子どもをどうケアするか、気候危機の中でどう生きていくかを考えるとき、その会話そのものが、ひとつの政治的な行為になる。なぜなら、bell hooks が言うように、愛は、いのちを支える政治的な行為だから。国家が十分に機能しない場所では、女同士の友情が、まるで感情の国家のように働くこともある。著書Em Comunhão: A Busca Feminina pelo Amor(『コミュニオン:女性たちの愛の探求』)で、Bell Hooks はこう語る。女同士の友情を取り戻すことは、家父長制がコントロールできない大切な選択。そこは、女性たちが自分を立て直し、自分らしくいられる場所でもある。女友人とは、相手を傷つけずに本当のことを話せるし、独占や競争に縛られずにただ一緒にいることができる。また、友情は世代をこえて育つものでもある。年上の女性から学び、これからの世代をみんなで支えていくつながり。これは女性を理想化することではなく、女性同士を競わせたり、比べさせたりしてきた社会のしくみをほどいていくこと。そのためには、自分の内側を見つめることが必要になる。心の中にあるわだかまりに気づき、他の女性を尊敬しながらも、自分を小さく感じないことを学んでいく。新しいことを学ぶためには、まず古い思い込みを手放すことが必要。なぜなら、長いあいだ身についてきた考え方は、一晩では変わらないから。
最後に、心理学者ヴァレスカ・ザネッロは、「愛の棚」という考え方を紹介している。わたしたちは「誰かに選ばれること」で自分の価値を感じようとしてしまう。そして恋愛が、自分の足りない部分を満たしてくれると思いがち。でも友情では、つながりは「選ばれること」ではなく、お互いを認め合うことから生まれる。女同士の友情は、自分らしさを育てていく場所でもある。そこでは、社会の中で男性の目線によって決められてきた役割から離れて、自分として存在できる。多くの女性にとって、友情の中で初めて尊敬、やさしさ、そして暴力のない関係を知ることもある。そして、友情が生まれるのに特別なことは必要ない。ただ、相手の夢を心から応援したいと思う気持ちがあればいい。
もし女性たちが、黙ること、文句を言わないこと、何も求めないことをずっと教えられてきたのだとしたら、友だち同士のあいだでこそ、新しい言葉が生まれていく。女同士の関係の中で初めて自分の声がきこえたという女性も少なくない。それは、新しい生き方の可能性が生まれる場所でもある。それまで言葉にできなかった出来事や関係にも、名前がつけられていく。ひとりの女性がその物語を語るとき、もうひとりの女性は自分がおかしかったわけじゃないと気づくこともある。個人的な問題だと思っていたことが、実は社会や文化の中で起きていることだと見えてくるから。友達同士で、本当の気持ちを語り合い、言葉にできなかった想いに名前をつけていく。そして日記を書くことで、その気づきをさらに深めることができる。そうして会話や分かち合いを通して、新しい記憶が生まれ、自分の人生の物語をもう一度編み直していくことができる。
あなたのマンダラルナーに書いている言葉の中では、友人たちはどんなふうに書かれているだろう。ちょっとしたサークルを開いてみたことはある?ここに、対話をはじめるための問いかけたちを作ってみたよ。それは、まだ足を踏み入れたことのない場所を友人たちと一緒に探っていくための矢のようなもの。あるいは、一度通った道を、もう一度やさしくたどり直すきっかけになるかも。
問いかけのカードは、
ここからダウンロードできるよ。
カードを切り取って、友だちと一緒にひいてみよう。
友人から学んだ愛で、恋愛からは学べなかったことは何?
人からどう思われるかを恐れないなら、今日何をしたい?
子どものころもっていた願いで、もう一度取り戻したいものはどんなこと?
友達としてのあなたのいちばん大切な魅力は何だと思う?
子ども時代や思春期に見た夢で、いまも覚えている印象的な夢はある?
人生の出来事で、人格形成に大きく影響したのに、ほとんど誰にも話したことのないことは何?
家系の女性たちからどんなものを受け継いでいると思う?たとえ静かに、気づかない形であっても。
子どものころに足りなかったものは何?そして今、あなたはそれを自分にどんなふうに与えている?
身体は、最近どんなことを訴えている?
初めての生理。どんな体験だった?
身体と切り離されたように感じるとき、もう一度身体へと戻してくれるものはどんなもの?
自分のどんなこと、すでに許せてる?
まだ喉につかえている「ノー」はどんなこと?どんな境界線が必要?
いま、どんなことに疲れている?
本当の意味での自由って何?どんなときに自由を感じる?
勇気がなくてまだ声にしていない願いは何?
あなたにとって神聖なものは何?そして、それとつながるちょっとした儀式みたいな習慣はある?
母になること(あるいは母にならない選択)は、人生にどんな流れをもたらしだ?
母になることで、セクシュアリティがどんなふうに変わった?
どのように自分のセクシュアリティを育んでいる?
最後に友達に助けを求めたのはいつだった?
すべてが揺らぎ、世界が崩れそうなとき、あなたを支えてくれる根っこは何?
まだ名前をつけられていない、古い傷はある?
未来のあなたは、いまのあなたに何を感謝すると思う?
どんなふうに歳を重ねていきたい?
まだ縛られているけど、本当は手放したいと思っている理想は何?
自分を守るために、どんな武器を構えている?
魂に火を灯す歌や詩はある?あるとしたらどんなもの?
怒りは、何を教えてくれている?
更年期はどんな体験になっている?あるいはどんなふうに過ごしてきた?
コミュニケーションでいちばん大きな課題と感じていることは何?
どんなときに、女同士の競争心を自分の中で感じる?
夜の静けさの中で、どんな夢を見ている?
自分の性格の中で、まだ認めたり変えたりするのが難しい部分は何?
ここまでにしておくね。素敵な出会いが生まれて、それがあなたのマンダラルナーに新しい物語を紡いでいきますように。
シルヴィア・ゾナット
心理学者(UFRGS〔リオグランデ・ド・スル連邦大学〕)
ユング派臨床のスペシャリスト
Rubra Terra 共同創設者
@silviazonatto.psi
イラスト Karla Ruas(Mandala Lunar 2026 ブラジル版より)
参考文献
Women Who Run With the Wolves クラリッサ・ピンコラ・エステス『狼と駆ける女たち――「野生の女」元型の神話と物語』JICC出版局、1994年。
Witches, Witch-Hunting, and Women シルヴィア・フェデリチ『女性と魔女狩り―中世から現代まで』翻訳:Heci Regina Candiani サンパウロ:Boitempo、2019年。
Communion: The Female Search for Love ベル・フックス『コミュニオン―女性たちの愛の探求』翻訳:Julia Dantas サンパウロ:Editora Elefante、2024年。
A prateleira do amor ヴァレスカ・ザネッロ『愛の棚―女性、男性、そして関係について』クリチバ:Appris、2022年。
マンダラルナーブログ原文

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